街の文化漂う 秘蔵の宿 フォロー

大人が似合う神楽坂の隠れ家 アグネスホテル東京

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

素泊まり7150円(税込み)〜

 都心の駅近くにありながら、大人の隠れ家という表現がとても似合うホテルだ。

 飯田橋駅から徒歩5分。表通りから奥へと入った、静かな住宅地に建つ。全56室。33室がホテル、残りの23室は長期滞在者用サービスアパートメントだ。

 建物の中に入ると、ヨーロッパの歴史あるホテルを訪れたような、気品と華麗さを兼ね備えたロビーが待ち受けている。中2階にはレストラン、半地階にはバーが見える。広々としたティーラウンジもあり、地階には吹き抜けのバンケットフロア(宴会場)が広がる。小路を挟んだ向かいに建つパティスリー(ケーキショップ)もまたホテルの施設だ。

 3階には女性限定のエステサロン、5階には完全予約制のプライベートダイニングルームがある。ガラス天井にキッチン付きの広い部屋で、調理風景を眺めつつのぜいたくな食事を楽しめる。いかにも高そうだが、平日は総料理長特製フレンチのフルコースランチが4000円(※)だ。

この記事は有料記事です。

残り1414文字(全文1828文字)

紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)