週末シネマ

アニメ映画「聲の形」が活写する高校生のリアル

勝田友巳・毎日新聞学芸部長
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(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会
(c)大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会

 「君の名は。」(新海誠監督)の大ヒットには驚いた。すでに興行収入60億円というから、「シン・ゴジラ」と競り合う勢い。知る人ぞ知るとはいえ、知名度では勝負にならない監督のオリジナルアニメが、巨大ブランドと対等に勝負している。スタジオジブリが開いたアニメの地平に、新たな才能が豊かに実っている。

 「聲(こえ)の形」も、完成度なら「君の名は。」に負けず劣らずだ。アニメ界で大注目の京都アニメーション制作。テレビアニメ「けいおん!」、2014年の映画「たまこラブストーリー」で知られる山田尚子監督が同名漫画を映画化した。

 高校生が主人公の青春映画。とはいえ、いくつも重しがついている。いじめ、聴覚障害、死。取り扱い方をあ…

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勝田友巳

毎日新聞学芸部長

1965年、茨城県出身。北海道大文学部卒。90年毎日新聞に入社し、松本支局、長野支局などを経て、東京本社学芸部。映画を担当して15年、新作映画を追いかける一方、カンヌ、ベルリンなど国際映画祭や撮影現場を訪ね、映画人にも話を聞いて回る日々。毎日新聞紙面で「京都カツドウ屋60年 馬場正男と撮影所」「奇跡 軌跡 毎日映コン70年」の、2本の映画史ものを連載中。