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「労災対象外」で失職した非正規40歳シンママの絶望

藤田孝典・NPO法人ほっとプラス理事

労災と補償(3)

 業務上の理由でけがをしたり、病気になったりしたパート、アルバイト、契約社員などの非正規労働者は、労災保険の給付対象ではない−−などと、したり顔で語る経営者や人事担当者がいます。ほとんど犯罪的な発言です。知っていてわざと言っているか、無知かのどちらかでしょう。

「働けなくなったら辞めてもらってますから」

 ファミリーレストランに勤めていた女性(40)のケースでは、レストラン運営会社の人事部長があまりに無知で驚きました。

 シングルマザーの彼女は、レストランのホールで契約社員として働き、生計を立てていました。ところがある日の勤務中、棚からものを取ろうとして転び、近くにあった高温の油で左腕全体にやけどを負ってしまいました。

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NPO法人ほっとプラス理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス理事。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。