高齢化時代の相続税対策

次世代に相続で苦労させたくない地主と借地人の選択

広田龍介・税理士
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 東京都区内に住む82歳のAさんは、地区では古くからの地主だ。バブル時代に両親の相続を迎え、土地の大部分を手放した。現在のAさんの主な財産は、自宅敷地200坪(660平方メートル)と、少し離れたところに戦後からBさん(80)に貸している300坪(990平方メートル)の土地だ。

 Aさんは両親の相続の時にこの貸地の処分も考えたが、借地人のBさんの親が当時、寝たきりの状態で話し合いができず、処分するタイミングを失ってしまった。

 一方、Aさんの相続から2年ほど後、Bさんも親から相続をすることになった。Bさんは借地権の一部を処分して相続税の支払いに充てることを考えたが、相続を終えたばかりのAさんが、自宅周辺の土地を手放すなど大変な苦労をしたことを聞いていたため、処分話を持ちかけるのは遠慮した。

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広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。