社会・カルチャー戦国武将の危機管理

博多港を押さえた“西国の雄”大内家のサバイバル戦略

小和田哲男 / 静岡大学名誉教授

 室町時代の明徳2(1391)年、守護、山名氏清が室町幕府に対して反乱を起こした。この「明徳の乱」で氏清討伐に功をあげた大内義弘は、それまでの周防・長門・石見の3カ国の守護に加え、豊前・和泉・紀伊の3カ国、合わせて6カ国の守護を兼ね、室町幕府内最大の実力者にのし上がったのである。

 ところが、その後、義弘が、将軍足利義満に不満を持つ鎌倉公方足利氏満に呼応して、和泉国の堺で幕府に対する反乱を起こした。「応永の乱」(1399年)である。このとき、義弘は幕府軍と戦って鎮圧され、殺されてしまった。大内家は存亡の危機に陥ったまま時が過ぎていった。

 その大内家に一筋の光がさしこんだ。それは、応永の乱から42年後、義弘のおいにあたる教弘が筑前国の守…

この記事は有料記事です。

残り936文字(全文1256文字)

小和田哲男

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com

イチ押しコラム

職場のトラブルどう防ぐ?

「部下の夫から連日クレーム」42歳女性上司の困惑

 A美さん(42)は、夫が院長を務めるクリニックの事務長を務めています。2カ月前から経理担当として働いているB子さん(33)の夫か…

ニッポン金融ウラの裏

進む「キャッシュレス化」誰が責任を負っているのか

 キャッシュレス決済を巡る論議が高まり続けている。政府も外国人旅行者の増大を踏まえて、キャッシュレス化推進の旗を振り続けている。社…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
ミンスク駅前広場に今も建つレーニン像。背後のビルもスターリン的(写真は筆者撮影)

ミンスクの街を歩き考えた「ベラルーシ人」とは何者か

 ◇ベラルーシ・ミンスク編(2) 旧ソ連解体後に独立した国の中で唯一、ロシアべったりの体制を続けてきたベラルーシ。その首都ミンスク…

メディア万華鏡
第38回全国豊かな海づくり大会の放流会場で、笑顔で拍手をされる天皇、皇后両陛下=高知県土佐市の宇佐しおかぜ公園で2018年10月28日、加古信志撮影

「発信する皇后」美智子さまが平成にもたらしたもの

 「既視感、もう飽きた」--。皇后さまが10月20日、84歳の誕生日を迎えられた。天皇陛下の退位まで半年。皇后として最後の誕生日と…

知ってトクするモバイルライフ
デザインや機能を一新した「iPadプロ」。左が11型、右が12.9型

新「iPadプロ」はホームボタンなくして超高性能

 アップルは、米ニューヨークで10月30日(現地時間)、「iPadプロ」の新モデルを発表した。11月7日に発売される予定で、価格は…