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安倍首相の演説原稿はなぜカギ括弧を多用するのか

山田道子・元サンデー毎日編集長
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衆院本会議で所信表明演説を行う安倍晋三首相=2016年9月26日、藤井太郎撮影
衆院本会議で所信表明演説を行う安倍晋三首相=2016年9月26日、藤井太郎撮影

 「未来」という言葉を18回繰り返したことで注目された9月26日の安倍晋三首相の所信表明演説。大手各紙は26日夕刊や27日朝刊で全文を伝え、首相官邸のホームページには原稿が載っている。新聞を隅から隅まで読むのがいまの私の仕事の一つなので、演説を活字でも丁寧に読んだ。聞いているのとなんだか違う。個人的な印象だが、ストンと落ちないものを感じるのだ。

 なぜか。キーワードとなる単語がカギ括弧(かっこ)でくくられているからだ。官邸ホームページに掲載されている「第百九十二回国会における安倍内閣総理大臣所信表明演説」の原稿を見てみよう。以下、三つの文章をそのまま抜き出してみた。

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山田道子

元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。