猫ブームの光と陰

「猫の飼い主探し」ボランティア頼みの限界

駅義則・元時事通信記者
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 飼い主の病気や死亡など、何らかの事情で都道府県や市町村に引き取られた犬や猫は、ボランティアが中心となって飼い主探しが行われる。東京都の場合、48団体が登録してこうした活動をしている。

 猫の保護活動を20年あまり続けているNPO法人「ねこだすけ」の工藤久美子・代表理事は、「行政によるペット殺処分数が減ってきた一番の原因は民間のボランティアが引き取っているから。行政がボランティアに『丸投げ』している面もある。許容範囲を超える猫を受け入れたボランティアが『多頭飼い崩壊』に陥る例もある」と指摘する。

 「多頭飼い崩壊」とは、多数の動物を飼って面倒が見きれなくなり、飼育放棄に陥ることだ。多様なケースがある。

 筆者が猫の保護にかかわるきっかけになった言葉でもある。約4年前、近所の1人暮らしの男性が拾った猫数匹が、不妊手術を怠って1年足らずで20匹以上に急増した。男性は猫を公園に捨てた。筆者は知人のボランティアとともに6匹を保護して飼い主を探した。虐待や病死の危険が大きかったためだ。この飼い主探し、子猫はもらわれる率が高いが、大人の猫は非常に厳しい。

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駅義則

元時事通信記者

1965年、山口県生まれ。88年に時事通信社に入社。金融や電機・通信などの業界取材を担当した。2006年、米通信社ブルームバーグ・ニュースに移り、IT関連の記者・エディターなどを務めた。また、飼い主のいない猫の保護や不妊化にも携わっている。