
し放題サービスの仕組み(2)
音楽配信サービスのスポティファイや、電子書籍キンドルなどは、CDや本で所有していたコンテンツのあり方を大きく変化させるものです。スポティファイなどの仕組みについては前回お伝えしました。今回は、「所有」のあり方が変化している背景や理由を見ていきます。
広辞苑で「所有権」を引くと、「有体物の全面的かつ絶対的な支配(自由な使用・収益・処分)を内容とする最強の権利」とあります。公正取引委員会が2014年に、「電子書籍は物ではなく情報である」という見解を示したように、デジタルコンテンツは物(有体物)ではないので、「所有」という考えが及びません。
所有できないにもかかわらず、なぜコンテンツは○○放題などの「使用」のみのサービスが広まっているのでしょうか。例えば、キンドルの日本サービス開始以前も、ソニーと複数の出版社が開設した「Timebook Town」など、レンタル型、貸本型の国産サービスは電子書籍の分野でいくつもありました。しかし、それらは支持されず、多くは姿を消してしまいました。なぜ、先行サービスは成功しなかったのでしょうか。
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