経済プレミア・トピックス

韓国・朴大統領が孤独ゆえに陥った大スキャンダル

大澤文護・千葉科学大学教授
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政権発足以来最大のピンチに陥った韓国・朴槿恵大統領
政権発足以来最大のピンチに陥った韓国・朴槿恵大統領

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領(64)をめぐる大スキャンダルに、韓国国民はあぜんとしている。一部の韓国メディアが、政府機密文書が政府関係者でもない一般人に漏えいしていると伝えたことがきっかけだった。

 漏えいしたのは大統領の演説原稿やスケジュールなど、国家安全保障に直結しかねない文書で、事の重大さに朴大統領自ら国民に謝罪した。漏えい先とされた女性実業家、崔順実(チェ・スンシル)氏(60)は10月31日、検察当局に緊急逮捕された。だが、それでも騒動が収まらないとみられるのは、崔順実氏があまりにも「きな臭い」経歴の人物だからだ。

 朴大統領と崔順実氏の出会いは40年以上前にさかのぼる。1974年、朴大統領は、母を父・朴正熙(パク・チョンヒ)大統領暗殺未遂事件で失った。朴正熙大統領を狙った流れ弾が近くにいた母に命中するという悲劇だった。

 その時、事件に衝撃を受けた朴槿恵氏の前に現れ、信用を得たのが崔順実氏の父で宗教家の崔太敏(チェ・テミン)氏(故人)であり、崔太敏氏は、自分の娘の順実氏を朴槿恵氏に紹介した。当時、朴正熙政権内部で、崔太敏親子は利権獲得を狙って大統領一家に近付いたのではないかとの疑惑が持ち上がった。だが、79年に朴正熙氏自身も暗殺され、その後の混乱などでうやむやになった。

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大澤文護

千葉科学大学教授

1957年東京生まれ。1980年毎日新聞社入社。1997~2002年ソウル特派員、04~08年マニラ支局長、09~11年ソウル支局長、11~13年毎日新聞東京本社編集編成局編集委員。2013年10月から現職。