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“若者使い捨て”24歳保育士の明るくない未来

藤田孝典・NPO法人ほっとプラス理事

 保育所拡充と高齢者介護の充実が叫ばれるなか、今年7月の参院選では保育士や介護士の待遇引き上げがテーマの一つになりました。保育士給与については自民党が月6000円引き上げと経験者の4万円上積み▽民進党と社民党は月5万円の引き上げ▽共産党は5万円引き上げに加えて年1万円を5年間増額--を打ち出し、待遇改善を競いました。

 二つの業界はそれほど構造的に低賃金重労働です。意欲を持って就職した若者が夢を持ちにくく、長く働けない職場になっています。

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NPO法人ほっとプラス理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス理事。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。