経済プレミア・トピックス

鴻海出身・戴正呉社長がやり玉に挙げたシャープの“甘え”

大河原克行・ジャーナリスト
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中間決算に関する会見で、記者の質問に答えるシャープの戴正呉社長=2016年11月1日、徳野仁子撮影
中間決算に関する会見で、記者の質問に答えるシャープの戴正呉社長=2016年11月1日、徳野仁子撮影

 11月1日に東京都内で行われたシャープの9月中間決算会見。この席に、シャープを傘下に収めた台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業から送り込まれた戴正呉(たい・せいご)社長が登場し、シャープのトップとなって初めて本格的な記者会見を行った。

 この決算で公表した9月中間期の営業損益は7900万円の黒字。前年同期の251億円の赤字からなんとか黒字転換してみせたが、業績回復とはとても言えない。だが、この席上、2017年3月期には257億円の黒字を達成するとの見通しを初めて公表した。実は、ここに戴社長の強い決意が見える。

 鴻海を率いる郭台銘(かく・たいめい)会長の腹心であり右腕と称される戴社長は、鴻海がシャープへの出資を完了した後の8月に就任した。自らが指揮する成果はこの3月期が最初になる。そこで営業黒字の達成を「必達目標」として示したのだ。これを達成すればシャープは年間で3年ぶりの営業黒字となる。

 戴社長は、「これまでのシャープは、有言実行ではなかった。800億円の黒字にすると言いながら、結果は2559億円の赤字(16年3月期最終損益実績)。私は、有言実行を追求する」と語り、この数字の達成が、自らの経営手腕を示す、最初の通信簿になることを掲げてみせた。

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大河原克行

ジャーナリスト

1965年、東京都生まれ。IT業界の専門紙「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年フリーランスジャーナリストとして独立。電機、IT産業を中心に幅広く取材、執筆活動を行う。著書に「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)など。