街の文化漂う 秘蔵の宿 フォロー

自室でくつろげるような赤羽 HOTEL ICHINICHI

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

素泊まり5000円(税込み)~

 JR赤羽駅から徒歩5分。南北線の赤羽岩淵駅から徒歩3分。

 東京都北区赤羽にある今回の宿は全13室。そのうち1室を除いてすべてトイレもシャワーも共同。電話はなく、エレベーターもないので、5階建てビルの部屋への上り下りは階段だ。

 そう聞くと、なんとも我慢を強いられる宿というイメージを抱くかもしれない。

 けれども1泊してこころに残ったのは、それとは正反対の感想だった。立地もインテリアもサービスも、そしてカフェバーのメニューも、なかなかの個性と魅力にあふれている。

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紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)