街の文化漂う 秘蔵の宿 フォロー

タニタランチが自慢 ホテルブリランテ武蔵野

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

さいたま新都心 素泊まり6700円(税込み)~

 建物名は「ホテル」だが、今回は久しぶりの「公共の宿」(公立学校共済組合運営)だ。公共の宿には、実は隠れた「名建築の宿」が多い。だが相変わらず、民間のホテルに比較して見劣りがするとの先入観にとらわれた人が少なくないだろう。その偏ったイメージを今回の宿は一蹴してくれる。

 まずアクセスに“新鮮”さを感じる。JRさいたま新都心駅から徒歩約5分。改札を出たところで空中歩行デッキは、一方はさいたまスーパーアリーナへ、一方は4棟のショッピングモール群へ直結。宿へと向かう道すがらも、真新しい高層ビルが並び、街は近未来を思わせる様相を呈す。その中でも今回の宿は、ひときわ目をひく建物のひとつだ。

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紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)