経済プレミア・トピックス

トランプ政権は米国の自由貿易を本当に捨てるのか

西川賢・津田塾大学国際関係学科教授
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トランプ次期米大統領
トランプ次期米大統領

 米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が当選したことにより、共和党はかつての党是であった自由貿易と完全に決別してしまった感がある。これは今回の選挙で共和党に生じた一つの重要な変化ではないか。

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの撤退を声高に主張するトランプ氏が大統領に就くことで、TPPの実現が見通せなくなった。

 これまで日本では、労働組合に支持される民主党は保護主義的、実業界をバックに持つ共和党が自由貿易を積極的に推進していると理解されることが多かった。

 だが、今回の大統領選では、共和党有権者全体の53%、トランプ支持層に限れば67%が自由貿易に反対している。もはや共和党は一昔前のように自由貿易を党是とする政党ではなくなった。

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西川賢

津田塾大学国際関係学科教授

1975年生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業、同大学院法学研究科政治学専攻後期博士課程修了。九州大学客員准教授、一橋大学客員准教授などを経て津田塾大学准教授。2016年10月から現職。著書に「ニューディール期民主党の変容」「分極化するアメリカとその起源」「ビル・クリントン」など。