育児サバイバル

働く母親は上司と同僚にいつまで謝り続けるのか

藤田結子・明治大商学部教授
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 内閣府が10月に発表した「男女共同参画社会に関する世論調査」によると、女性が仕事を持つことについて「子どもができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人が初めて半数を超え、54.2%に達しました。

 けれども、幼い子供を育てている女性は、子供の世話で仕事を休みがちで、残業もあまりできません。そのたびに職場の同僚や上司におわびをし、周囲も「謝るのが当然」と考える傾向があります。

 東京都内で働く長谷川陽子さん(40代、仮名)が、仲の良い同僚の鈴木さん(40代女性)、佐藤さん(30代女性)と昼食をとっていた時のこと。長谷川さんは結婚していて5歳と3歳の娘がいます。鈴木さん、佐藤さんは独身です。ライフスタイルは違いますが、気が合うので普段から仲良くしています。

 話題は同僚男性Aさんのうわさ話になりました。Aさんは英国籍の社員で、3人の子供がいます。「Aさんは子供のことがあるから、たいてい残業をせずに帰る」と、佐藤さんが言いました。

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藤田結子

明治大商学部教授

東京都生まれ。慶応義塾大を卒業後、大学院留学のためアメリカとイギリスに約10年間滞在。06年に英ロンドン大学で博士号を取得。11年から明治大学商学部准教授、16年10月から現職。専門は社会学。参与観察やインタビューを行う「エスノグラフィー」という手法で、日本や海外の文化、メディア、若者、消費、ジェンダー分野のフィールド調査をしている。