スキル・キャリア職場のトラブルどう防ぐ?

バイトより時給が低い「正社員・定額残業代」のワナ

井寄奈美 / 特定社会保険労務士

 「定額残業代」という制度があります。毎月一定時間の残業が発生することを前提に、その時間分の残業代を固定給で支払うのですが、この制度が長時間残業の温床となっているケースが見られます。

 少し前の判例ですが、新入社員の居酒屋店長が、過重労働による心疾患で死亡した大庄事件(大阪高裁、2011年5月25日判決)があります。大庄は「日本海庄や」などを展開する外食チェーンです。新入社員の月給19万4500円のうち7万1300円が、「役割給」の名目で支払われる80時間分の定額残業代でした。

 過労死ラインとされる毎月80時間の残業を前提とした賃金設計と、月平均112時間と認定された長時間残…

この記事は有料記事です。

残り1753文字(全文2043文字)

井寄奈美

井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/

イチ押しコラム

職場のトラブルどう防ぐ?
 

「定時帰りは無理!?」26歳女性“固定残業代”への疑問

 A子さん(26)は、3カ月前に今の会社に転職しました。職種は営業アシスタントです。転職以降、定時に上がれる日がほとんどありません…

知ってトクするモバイルライフ
プライバシー重視の方針を打ち出すアップル。開発者向け会議でもプライバシーに関してはたびたび言及される(写真は2018年6月のアップルの年次開発会議<WWDC>)

アップルが「GAFA」一括りにされるのを嫌がる理由

 総務省は、電気通信事業法の「通信の秘密」の規定を、巨大なプラットフォームを持つ海外のIT企業にも域外適用する方向で検討を進めてい…

ニッポン金融ウラの裏
 

キャッシュレス化20%「日本は遅れてる」はホント?

 「デジタルマネー」が引き続きホットな話題となっている。政府が推進するキャッシュレス化社会の流れに沿った議論だ。だが、さまざまな官…

藻谷浩介の世界「来た・見た・考えた」
ユジノサハリンスク市街でのイベントにいた着ぐるみ。ちょっと不気味なところがロシア的?(写真は筆者撮影)

サハリン「ユジノサハリンスク」旧樺太の地の今は

 ◇ロシア・ユジノサハリンスク編(1) ロシア・サハリン州の、州都ユジノサハリンスク(日本語にすれば「南サハリン市」)。成田空港か…

メディア万華鏡
 

「準強制性交」の罪名に感じる司法の“男性バイアス”

 「薬飲ませ女性暴行の疑い 昭和大の医師2人、容疑否認」「田畑毅議員が辞職願 衆院に提出 女性とトラブル」「新井浩文被告 500万…