ニッポン金融ウラの裏

無担保・無保証「芸者ローン」を始めた信組の地域密着度

浪川攻・金融ジャーナリスト
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第一勧業信用組合の本部=東京都新宿区四谷で11月25日撮影
第一勧業信用組合の本部=東京都新宿区四谷で11月25日撮影

 今、東京都内のある中小金融機関の活動が注目を集めつつある。新宿区四谷に本部を構える第一勧業信用組合である。多くの金融機関が「貸し出し難」とぼやき、新規貸し出しが低迷するなかで、同信用組合は事業性ローンを着実に積み上げているほか、若者の創業支援などの事業で独自の領域を切り開いている。その取り組みの一端を紹介したい。

 今年、金融業界で隠れた話題商品の一つとなった第一勧業信用組合の事業性ローンがある。その名を「芸者ローン」と言う。芸者さんが自分の小料理屋などを開く際の開業資金を融資しているのだ。というと、担保や第三者保証を付けたローンと思われがちだが、まったく異なる。無担保・無保証であり、ローン実行の可否を決定づけるのはお金を借りる芸者さんの人物評価である。究極の事業性評価と言ってもいいだろう。

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浪川攻

金融ジャーナリスト

1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。