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会見メモ打ちが劣化させた!? 記者たちの「突っ込み力」

山田道子・元サンデー毎日編集長
会見場では記者がパソコンを開き、「一問一答」を打ち込む姿が一般的だ=2016年1月28日に行われた甘利明経済再生担当相の記者会見場で、竹内幹撮影
会見場では記者がパソコンを開き、「一問一答」を打ち込む姿が一般的だ=2016年1月28日に行われた甘利明経済再生担当相の記者会見場で、竹内幹撮影

 暑いころの話になるが、8月6日の毎日新聞朝刊1面(東京本社版)を見て驚いた。生前退位について8月8日に天皇陛下のビデオメッセージが公開され、安倍晋三首相はどう受け止めたかを発表するという記事で、見出しは「陛下お気持ち 8日15時/首相は受け止め発表へ」。「受け止め」が見出しになっていたからだ。

 「受け止める」とか「受け止め方」というのはよくあるが、「受け止め」って違和感ない?と周囲に聞いたほどだ。違和感を持つ人はおらず、一般的な言葉になったのだと実感した。

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元サンデー毎日編集長

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞社入社。社会部、政治部、川崎支局長などを経て、2008年に総合週刊誌では日本で最も歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長、紙面審査委員。19年9月退社。