メディア万華鏡

「ポピュリズム」は“国民の愚かな判断”を意味するのか

山田道子・毎日新聞紙面審査委員
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米大統領選でトランプ氏が当選確実となったことを伝える号外=2016年11月9日、久保玲撮影
米大統領選でトランプ氏が当選確実となったことを伝える号外=2016年11月9日、久保玲撮影

 ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に決まってから、「ポピュリズム(大衆迎合主義)」って何だろうと考えることが増えた。ポピュリズムと称される事象を、メディアはどうとらえて、どのように報じればいいのか、と。

 最近ではイタリアの憲法改正を巡る国民投票。改正案の柱は、上院の権限を縮小して事実上の1院制に近づけることと、地方から中央への大幅な権限移譲の二つだった。反対が大差で賛成を上回り、レンツィ首相は辞任した。毎日新聞を含めメディアの多くが、欧州連合(EU)離脱を選んだ英国民投票、トランプ氏の米大統領選勝利に象徴されるポピュリズムがイタリアに及んだという見方で伝えた。

 少し違和感を覚えた。というのも、国民投票前に毎日新聞で読んだ南部ナポリの声が浮かんだからだ。ナポリ…

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山田道子

毎日新聞紙面審査委員

1961年東京都生まれ。85年毎日新聞入社。浦和支局(現さいたま支局)を経て社会部、政治部、川崎支局長など。2008年に総合週刊誌では日本で一番歴史のあるサンデー毎日の編集長に就任。総合週刊誌では初の女性編集長を3年半務めた。その後、夕刊編集部長、世論調査室長を経て15年5月から現職。