
ドナルド・トランプ氏が次期米大統領に決まってから、「ポピュリズム(大衆迎合主義)」って何だろうと考えることが増えた。ポピュリズムと称される事象を、メディアはどうとらえて、どのように報じればいいのか、と。
最近ではイタリアの憲法改正を巡る国民投票。改正案の柱は、上院の権限を縮小して事実上の1院制に近づけることと、地方から中央への大幅な権限移譲の二つだった。反対が大差で賛成を上回り、レンツィ首相は辞任した。毎日新聞を含めメディアの多くが、欧州連合(EU)離脱を選んだ英国民投票、トランプ氏の米大統領選勝利に象徴されるポピュリズムがイタリアに及んだという見方で伝えた。
少し違和感を覚えた。というのも、国民投票前に毎日新聞で読んだ南部ナポリの声が浮かんだからだ。ナポリのルイジ・デマジストリス市長(49)が「(改正案で中央集権化が実行されれば)豊かな州が自治を強める一方、貧しい州は(中央政府の)保護監督下に置かれ、イタリアが(南北間でより)分断される」と話したという記事が12月2日朝刊に載っていた。
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