思いを伝える技術

新年のあいさつに「ひとりよがりの熱意」は禁物

川井龍介・ジャーナリスト
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 新しい年を間近に控え、年賀状をはじめ年頭のあいさつをあれこれ考えている人も多いのではないでしょうか。とくに、企業のしかるべき地位にいる人や学校の校長先生など組織の上に立つ人は、どんな言葉にするか、どんな文面にしようかと思案をめぐらしていることでしょう。

 ある中小食品メーカーの社長が、新年に全社員に向けたメッセージを苦労してまとめました。自分の思いは自分で書くことにしているその社長は、A4の紙にして3枚くらいの分量でびっしり原稿を書きました。

 「年頭にあたって今年もまた一言お話ししたいと思います」とはじまり、それから社内の各事業ごとの旧年の実績と状況を書き込み、そのあとで課題点をあげ、さらに新年の目標を掲げました。

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川井龍介

ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。