
国内の低金利状態を背景に、高利回りの「外貨建て保険商品」が一般個人向けの売れ筋商品となっている。だが、その一方、「こんなはずではなかった」「そんな話は事前に聞いていなかった」という苦情の類が増えている。なかでも、商品を購入した高齢者の親族からのクレームが広がっているという。
外貨建て保険というのは変額保険の一種で貯蓄型商品だ。生命保険ではあるが、返戻金が相場次第で増減する。
高齢者に複雑な金融商品を販売する際には、厳しいルールが適用されるようになっている。例えば日本証券業協会には、複雑な仕組みの投資信託などを高齢者に販売する場合の厳格な自主ルールがある。客が80歳以上なら、原則として上司の事前承認を受けたうえで勧誘し、受注は翌日以降、上司が行う、などだ。
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浪川攻
金融ジャーナリスト
1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。