青春小説の系譜 フォロー

「友情が武器」大人と戦う少女たちの希望と絶望

鶴谷真・大阪本社社会部
作品の舞台になった鳥取県境港市(右奥)。手前は米子市
作品の舞台になった鳥取県境港市(右奥)。手前は米子市

桜庭一樹「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」

 少女漫画のようにかわいかったり美しかったりするキャラクターが活躍する一方で、実にミステリアスかつグロテスク--そんな小説を読んだ。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」(2004年)である。

 著者は、08年に「私の男」で直木賞を受賞した桜庭一樹(さくらば・かずき)さん。「砂糖菓子……」はその出世作となった。

この記事は有料記事です。

残り1652文字(全文1824文字)

大阪本社社会部

1974年、神戸市出身。2002年に入社し、京都支局や学芸部などを経て22年から大阪地方部。