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泊まってみたいホテルは必ず朝食に特色がある

稲葉なおと・紀行作家、一級建築士

ホテル選びの新常識(2)

 取材先のホテルで総支配人や広報責任者に「貴館で自信のポイントは?」と尋ねると往々にして、「やはり朝食ですね」という答えが返ってくる。ビジネスホテルやホステルでも、シティーホテルやリゾートホテルと同様に、朝食は重要な差別化のポイントになっている。

 だが残念ながら、自慢の朝食を実際に利用してみると、がっかりさせられることが多いのも事実だ。

 ホテル側の自慢は、ビュッフェ料理の品数の豊富さと手づくり料理という二つのポイントに大別される。大型シティーホテルのビュッフェ朝食にあこがれるかのように品数を追い求めた結果、料金は1000円を軽く超えて決して安くはなく、けれども品ぞろえは中途半端な朝食会場を何度も目にした。

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紀行作家、一級建築士

1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)