東芝問題リポート

米テロ対策と福島原発事故で暗転した東芝原子力事業

編集部
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福島第1原発の1号機(左)。爆発前は右の建屋と同じ外観だった=2011年3月12日、貝塚太一撮影
福島第1原発の1号機(左)。爆発前は右の建屋と同じ外観だった=2011年3月12日、貝塚太一撮影

 東芝の子会社である米原子力大手ウェスチングハウスは、中国で4基、米国で4基、合わせて8基の原子力発電所を建設している。東芝は、このうち米国で建設している4基をめぐり、数千億円の損失が生じる可能性があると説明している。では、この4基はどんな状況にあるのか、詳しく報告しよう。

 米国での原発4基は2008年4月から5月にかけて相次いで受注契約を結んだ。ジョージア電力から受注したジョージア州ボーグル原発3号機、4号機、それにスキャナ電力の子会社から受注したサウスカロライナ州VCサマー原発2号機、3号機である。いずれも出力110万キロワット。ボーグル原発の2基は16年と17年、VCサマー原発の2基は16年と19年に運転開始の予定だった。

 この4基は、米国内で30年ぶりとなる原発の新規建設受注だった。米国は世界最大の原発大国だ。1957年に最初の原発が運転を始め、60年代末から本格的に各地で次々と原発が稼働した。70年代末には約70基が稼働していた。

 ところが79年に、ペンシルベニア州のスリーマイル島原発で事故が起きた。二つある原子炉のうち、2号機が装置の故障と運転ミスの連鎖で、原子炉が空だき状態となり、格納容器内で水素爆発が起きた。メルトダウン(炉心溶融)だったことが後でわかる。放射性物質が外部に漏れ、住民14万人余りが一時的に避難する事態になった。

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編集部

長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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