週末シネマ

巨匠スコセッシが挑んだ遠藤周作「沈黙」の世界

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「沈黙-サイレンス-」公開日:2017年1月21日(土)/配給:KADOKAWA/       Photo:Kerry Brown/(C)2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.
「沈黙-サイレンス-」公開日:2017年1月21日(土)/配給:KADOKAWA/       Photo:Kerry Brown/(C)2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.

 マーティン・スコセッシ監督といえば、「タクシードライバー」「レイジング・ブル」「ミーン・ストリート」、最近ではアカデミー賞監督賞を受賞した「ディパーテッド」などなど、数々の作品で知られる大監督だ。

 イタリア移民の子孫としてニューヨークで育ち、生まれ育った環境を背景に映画を作ってきた。マフィアや暴力を生々しく描き、混沌(こんとん)とした社会に生きる善悪や倫理を問いかける。その底にあるのがキリスト教だ。暴力と不公平に満ちた世の中でいかに生きるべきか、善良であることは可能なのか。娯楽作の底には真摯(しんし)な問いかけがあった。

 1988年、その原点と向き合い、キリストの生涯を描いた「最後の誘惑」を発表した。同じころ、遠藤周作の小説「沈黙」と出合って映画化を決意し、ほぼ30年が過ぎてようやく実現させた。神について、信仰について、再び真正面から向き合った。並々ならぬ意気込みが感じられ、映像の美しさと精神性の深さにはすさまじい迫力があった。

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