社会・カルチャー戦国武将の危機管理

ばくちを「ご法度」にした戦国大名結城政勝の“見識”

小和田哲男 / 静岡大学名誉教授

 戦国時代、武士たちの間で囲碁・将棋は盛んだった。戦国時代の遺跡から碁石や将棋の駒はよく出土する。囲碁・将棋で、敵の動きを先読みすることが、実際の戦いのかけひきに応用できる側面もあり、奨励されていた。

 それに対し、同じ「盤上の遊び」といわれる双六(すごろく)は、多くの戦国大名家で禁止されていた。当時は、盤上に白と黒の石を置いて二人で対戦する「盤双六」が広まっており、サイコロを振って石を動かす偶然性から、金や物をかけて行われていた。

 たとえば、近江の戦国大名六角氏は、その制定した「六角氏式目」の第44条で、「博奕(ばくち)堅く停止…

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小和田哲男

小和田哲男

静岡大学名誉教授

戦国大名・今川氏のお膝元で、徳川家康の隠居先でもあった静岡市で1944年に生まれる。72年、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。専門は日本中世史。戦国時代史研究の第一人者として知られ、歴史番組でおなじみの顔。趣味は「城めぐり」で、公益財団法人「日本城郭協会」の理事長も務める。主な著書に「戦国の群像」(2009年、学研新書)、「黒田官兵衛 智謀の戦国軍師」(13年、平凡社新書)。公式サイト https://office-owada.com