辻野晃一郎の「世界と闘え」

トップ機能不全で粉飾体質「東芝」は沈没寸前

辻野晃一郎・アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO
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3月末に閉鎖される東芝青梅事業所=2016年11月7日、熊谷泰撮影
3月末に閉鎖される東芝青梅事業所=2016年11月7日、熊谷泰撮影

 昨年末から、東芝の経営問題が再燃している。

 子会社である米原子力大手ウェスチングハウスは、1年前に買収した原発建設などを手掛けるS&W社と共同で、米国内で原子力発電所4基の建設に取り組んでいる。このための建設資材や人件費のコストが想定より大幅に増加する可能性が出てきたというのだ。

 年末に見積もられた損失額は最大でも5000億円程度とされたが、1月20日の報道では、その額をさらに上回る7000億円になる見通しとされている。東芝は、正確な損失額をいまだ把握すらできておらず、2月中旬までに算出するとしているが、債務超過になる可能性が出ている。

 東芝では、2015年に粉飾決算問題が表面化したときにも、ウェスチングハウスの1000億円以上の減損を2年半にわたって隠蔽(いんぺい)していたことが同時に明らかにされた過去がある。

 今回の内容も、ウェスチングハウスによるS&W社買収の経緯に不透明なところがあり、買収した米国の原子力関連事業を、東芝が適正にコントロールできていなかったことがあらためて露呈した形だ。

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辻野晃一郎

アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

1957年福岡県生まれ。84年、慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニー入社。VAIOなどの事業責任者、カンパニープレジデントを歴任。2007年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。10年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。著書に「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」(新潮社)、「リーダーになる勇気」(日本実業出版社)、「『出る杭』は伸ばせ! なぜ日本からグーグルは生まれないのか?」(文芸春秋)などがある。