猫ブームの光と陰

「東京五輪開発」で追われる野良猫に行き場はあるか

駅義則・元時事通信記者
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東急目黒線・武蔵小山駅近くの飲み屋街で撮影したロシアンブルーの野良猫=2015年8月、筆者撮影
東急目黒線・武蔵小山駅近くの飲み屋街で撮影したロシアンブルーの野良猫=2015年8月、筆者撮影

 東京都内を歩いていると、至るところで「ここもか」と感じる。東京五輪を控えた再開発だ。だが、その裏で野良猫が行き場を失うことは、なかなかイメージできない。彼らは普段、ひと目を避けて生きているからだ。

 野良猫問題を根本的に解決するには不妊手術の徹底しかない。過酷な環境で生きる彼らの寿命は4~5年とされる。繁殖を止め、捨て猫や他地域からの流入を監視し続ければ、野良猫はいずれ途絶える。しかし、この再開発ブームで目算が狂うこともある。そうした例を紹介しよう。

 東京・目黒から田園調布に向かう東急目黒線で、目黒駅から2駅めの武蔵小山駅。約800メートルという都内最長のアーケード商店街で知られる街だ。駅のすぐ南には戦後から続いてきた飲み屋街があったが、約1年前に取り壊された。

 現在は高い壁に囲まれた跡地に、41階建てのタワーマンションが建設中。2019年末に完成する予定だ。10階建て以上の建造物が珍しかったこの街では、際立った存在になる。

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駅義則

元時事通信記者

1965年、山口県生まれ。88年に時事通信社に入社。金融や電機・通信などの業界取材を担当した。2006年、米通信社ブルームバーグ・ニュースに移り、IT関連の記者・エディターなどを務めた。また、飼い主のいない猫の保護や不妊化にも携わっている。