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「頼みの綱」生活保護へのバッシングはなぜ起きるのか

藤田孝典・NPO法人ほっとプラス理事
女子高生バッシングに抗議する新宿デモには若者も多く参加した=JR新宿駅東口で2016年8月27日、戸嶋誠司撮影
女子高生バッシングに抗議する新宿デモには若者も多く参加した=JR新宿駅東口で2016年8月27日、戸嶋誠司撮影

 前回まで4回にわたって生活保護制度を取り上げました。今回はまとめの回として、なぜ生活保護バッシングが起きるのかを考えます。

 生活保護について文章を書いたり、発言したりすると、次のような意見や反論をもらいます。

 「貧困は自己責任なのだから税金で生かすべきではない」「生活保護受給者はつつましく、謙虚に地味に、目立たず生きるべきだ」「税金で酒を飲んだりギャンブルをしたりするのは許せない」「生活保護不正受給は断固阻止すべきだ。倹約している市民から見ると大問題だ」--。

 一生懸命働いて納めた自分の税金を、働かない(働けない)人に安易に浪費してほしくない、という気持ちは理解できます。しかしなぜか、生活保護受給に至る社会的原因や背景には批判が向かわず、受給者個人の生活態度や振る舞いが批判されるのです。

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NPO法人ほっとプラス理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス理事。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。