東芝解体の危機(9)
東芝の半導体メモリー事業分社化による一部株式売却の入札に、事業会社や投資ファンドが名乗りをあげているのは、主力製品であるNAND型フラッシュメモリーの需要が昨年来、好調に推移しているからだ。
東芝は昨年、11月に公表する中間決算の最終(当期)利益の業績予想を小刻みに上方修正した。5月時点で200億円を予想していたのが、8月に500億円を上積みし、9月に150億円をさらに上積み、10月にも300億円を上乗せした。公表された中間決算の最終利益は1150億円で、950億円も膨らんだ。
この主因は半導体メモリーの需要が好調だったためだ。昨春時点では、メモリーの需要はそれほど強くなく、メモリー価格は下落傾向が続いていた。このため、中間決算の業績予想は価格下落を織り込んではじき出していた。それが、夏ごろには価格の下げ止まりが顕著になり、業績上方修正となって現れた。
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編集部
長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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