経済プレミア・トピックス

韓国サムスントップ逮捕で財閥支配は終わるのか

大澤文護・千葉科学大学教授
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韓国最大の財閥サムスンはどうなるのか
韓国最大の財閥サムスンはどうなるのか

 韓国最大の財閥サムスングループの総帥・李在鎔(イ・ジェヨン)サムスン電子副会長(48)が2月17日、贈賄や横領などの容疑で韓国特別検察チームに逮捕された。韓国の国内総生産(GDP)の約2割を占める巨大財閥の経営は、総帥の逮捕によって混迷に陥ることは避けられない。

 サムスングループの2代目総帥・李健熙(イ・ゴニ)サムスン電子会長(75)の体調悪化を契機に、2015年、健熙氏の長男である李在鎔容疑者は、安定したグループ経営権の引継ぎのため、自身が株式の23.2%を所有するサムスングループの事実上の持株会社「第一毛織」と、グループの中核企業・サムスン物産の合併を計画した。

 この合併案に米国の事業ファンドなどが「サムスン物産の株価の評価が低すぎる。第一毛織側にあまりに有利な合併だ」との理由から激しく反対したため、李容疑者は朴槿恵(パク・クネ)大統領とその周辺に合併を後押しするよう依頼し、その見返りとして朴大統領の親友で、国政介入疑惑の中心人物、崔順実(チェ・スンシル)被告の娘の乗馬選手としての活動などに巨額の資金援助を与えた--という疑惑がもたれている。

 サムスングループトップの不正資金疑惑は今回が初めてではない。08年、李会長は政界などへの不正資金提供疑惑で捜査当局の強制捜査を受け、09年には脱税で有罪判決を受けた。しかし同年、政府の恩赦を受け、経営者として復帰した。サムスングループの経営混乱が、韓国経済に与える影響を配慮した韓国政府の判断だったとみられる。

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大澤文護

千葉科学大学教授

1957年東京生まれ。1980年毎日新聞社入社。1997~2002年ソウル特派員、04~08年マニラ支局長、09~11年ソウル支局長、11~13年毎日新聞東京本社編集編成局編集委員。2013年10月から現職。