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中古が新築を上回った首都圏住宅販売の大変化

櫻井幸雄・住宅ジャーナリスト

 昨年、首都圏で売りに出された中古住宅の戸数が、新築分譲住宅の戸数を上回った。

 これは、日本の不動産の歴史上、重大な出来事である。

 日本では長い間、新築住宅をせっせと造り続けてきた。古い一戸建てを売る場合も、古家付きで売るより、古家を取り壊して更地にする、もしくは新しい家を建てて建売住宅として売るケースが多かった。

 いわゆるスクラップ・アンド・ビルド(壊しては造る)を実践してきたわけだ。そのスクラップ&ビルドを改め、いよいよストック住宅(今ある住宅を中古として活用する)時代に入ったわけだ。

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住宅ジャーナリスト

1954年生まれ。年間200物件以上の物件取材を行い、首都圏だけでなく全国の住宅事情に精通する。現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説、文章のおもしろさで定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞、日刊ゲンダイで連載コラムを持ち、週刊ダイヤモンドでも定期的に住宅記事を執筆。テレビ出演も多い。近著は「不動産の法則」(ダイヤモンド社)。