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世界大変化「VUCA」を生き抜く「働き方改革」とは

辻野晃一郎・アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

 先日、鹿児島の知覧を訪問する機会があった。太平洋戦争中に神風特攻隊の前線基地となった陸軍の飛行場があったところだ。知覧特攻平和会館には、沖縄の激戦地に向けて片道分の燃料と爆弾を積み出撃していった17歳から20代前半の若者たちの写真や絶筆が多く展示されており、彼らの慟哭(どうこく)が嫌でも伝わってくる。

 20歳そこそこで「人生の総決算 何も謂ふこと無し」などと書き残して旅立っていった若者たちが、今の日本の働き方改革の議論を見聞きしたらどう思うであろうか。

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アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

1957年福岡県生まれ。84年、慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニー入社。VAIOなどの事業責任者、カンパニープレジデントを歴任。2007年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。10年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。著書に「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」(新潮社)、「リーダーになる勇気」(日本実業出版社)、「『出る杭』は伸ばせ! なぜ日本からグーグルは生まれないのか?」(文芸春秋)などがある。