ジャンパーの経緯を説明し、頭を下げる小田原市の職員=市役所で2017年1月17日、澤晴夫撮影
ジャンパーの経緯を説明し、頭を下げる小田原市の職員=市役所で2017年1月17日、澤晴夫撮影

くらし下流化ニッポンの処方箋

「受給者は危険」と宣伝した小田原ジャンパーの無理解

藤田孝典 / NPO法人ほっとプラス代表理事

 生活保護を担当する神奈川県小田原市の職員が、受給者を威圧するような文言を入れたジャンパーなどを作製、着用していた問題は、多くの人に「受給者は危険だ」という誤解を与えました。

 毎日新聞は2月4日付朝刊に、次の検証記事を掲載しています。

 「市生活支援課によるとジャンパー作製は2007年、窓口で起きた切りつけ事件が契機となった。生活保護を受給していた男(当時61歳)が役所に現れた。アパートを追い出され連絡が取れなくなったため、市が支給を打ち切っていた。男は激高してケースワーカーにつえを振り上げ、止めに入った職員をカッターナイフで切りつけ、3人が軽傷を負った。事件後は『窓口に出るのが怖くなった』と訴える職員が多くなった」

 「係長職の職員らが『小田原市民のために仕事をすると考えれば、モチベーションを高めざるを得ない』と考…

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藤田孝典

藤田孝典

NPO法人ほっとプラス代表理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学人間福祉学部客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。