
人口減少などを背景にした地方経済の衰退が論じられているなかで、コミュニティー活動に傾注する地域密着型中小金融機関の存在が再評価されつつある。金融庁もこれらの取り組みに関心を高めている。
昨年11月28日の本欄で、東京都内の信用組合、第一勧業信用組合の奮闘ぶりを紹介した。その後、メディアの関心も集まり、同信組は話題の金融機関となりつつある。同信組の活動を一言でいえば、「コミュニティーバンク」。一時は失いかけていた自らの存在意義を取り戻す活動だ。
支店の営業エリア内の商店街、町内会との接点を復活・強化して、コミュニティーの一員として地域の事情と事業者を知り抜き、担保に依存しない「目利き力」による貸し出しを行っている。
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浪川攻
金融ジャーナリスト
1955年、東京都生まれ。上智大学卒業後、電機メーカーを経て、金融専門誌、証券業界紙、月刊誌で記者として活躍。東洋経済新報社の契約記者を経て、2016年4月、フリーに。「金融自壊」(東洋経済新報社)など著書多数。