下流化ニッポンの処方箋

貧困に直結する「住宅クライシス」をどう防ぐか

藤田孝典・NPO法人ほっとプラス代表理事
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 「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版、972円)を執筆した藤田孝典さんへのインタビュー最終回は、藤田さんが提唱する「社会住宅構想」について聞きました。ハウジングリスクを減らす住宅政策への転換を訴えます。出版記念トークライブ「藤田孝典さんと考えるニッポンの未来」は3月30日(木)です。【経済プレミア編集部・戸嶋誠司】

 --藤田さんはかねてベーシックニーズ、つまり生活に必要な素材の脱商品化を提唱してきました。中でも住宅分野は必要性が高いと訴えています。その考え方と方法を教えてください。

 藤田 住宅分野への投入資金を増やして住宅費(家賃)全体を下げ、不安定居住による貧困を回避したり、貧困ビジネス介入を防いだりする考え方です。不安定居住の問題は貧困に直結し、また困窮からの脱出を難しくします。日本では賃貸も分譲も含め、住宅は経済商品という考え方が根強いですが、その意識を変え、住宅を社会ストックとして整備しよう、という提案です。

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藤田孝典

NPO法人ほっとプラス代表理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学人間福祉学部客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。