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大事な伝言を正しく間違えず簡潔に伝えるコツ

川井龍介・ジャーナリスト

 旅行先での夜の食事場所について、どこかいいところはないものかと宿泊予定先のホテルに事前に電話で聞いてみました。

 「ホテルの近くで夜遅くまでやっているところで、手軽に郷土料理を食べられる店があったら教えてほしいのですが。どこか適当なところはありますか」

 すると、「いま詳しい者がいないので1時間ほどしたらかけてもらえますでしょうか」というので、調べておいてもらおうと思い「では、今言ったこと伝えておいてください」と、電話を切りました。

 2度目に電話をすると“詳しい”という人が出てきて「なにか、食事場所のことでおたずねでしょうか」。「さきほどの件ですが」と、こちらが言うと「どういうことでしょうか」と聞き返されました。「だから、さっき伝えておいてほしいと……」。

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ジャーナリスト

1980年慶応大学法学部卒。新聞記者などを経てフリーのジャーナリスト、ノンフィクションライター。実用的な文章技術を説いた「伝えるための教科書」(岩波ジュニア新書)をはじめ「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)、「フリーランスで生きるということ」(ちくまプリマ―新書)を2015年に出版。このほか「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著、旬報社)の翻訳をてがける。