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能力ある人を登用する決め手「小過を赦し賢才を挙げる」

江上剛・作家

Q 優秀な部下は放っておいてよい?

A はい。「俺が育てた」とは決して言わないように

 優秀な部下とは、自分で課題を見つけ、解決方法を見つけようと努力し、謙虚な姿勢で人の話を聞き、上司には可愛がられる、そつのないタイプを言うのだろう。こんな部下は、間違いなく放っておいても育っていく。

 あなたがいつまでも偉そうに上司然としていると、あなたの上司として赴任してきて「先輩、その節はお世話になりました」と気の置けない態度でしれっと言うに違いない。それを真に受けて「お前は俺が育てたんだ」などいう横柄な態度をしようものなら、すぐにどこかへ飛ばされるだろう。使えないベテラン社員と位置付けられてね。

 だから部下に向かって「俺が育てた」などと不遜な態度は慎んだ方が良い。部下に対しても謙虚な態度で接するべきで、たとえ部下が本気で「あなたのお陰です」と礼を言ったとしても「あなたご自身の力です」と答えるような態度が望ましい。

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作家

1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。77年旧第一勧銀(現みずほ銀行)に入行。97年、総会屋利益供与事件に遭遇し、広報部次長として混乱収拾に尽力。在職中の2002年「非情銀行」で作家デビュー。03年にみずほ銀行を退行。近著に「働き方という病」など。テレビコメンテーターとしても活躍している。