
「広州では過去最大規模の投資になる」
3月1日、中国南東部に位置する広東省広州市で開かれた新工場の起工式で、鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(かく・たいめい)会長は声を張り上げた。通称「テリー・ゴウ」と呼ばれる注目の人物である。
鴻海の傘下企業が整備する液晶パネル工場の総投資額は610億元(約1兆円)。起工式には広東省トップで、将来の中国の指導者候補とも言われる胡春華・同省党委書記も駆けつけ、手放しでホンハイの誘致成功を喜んだ。
起工式に注目したのは地元政府だけではない。国内外のメディア関係者もこぞって取材に訪れた。郭会長からどんな発言が飛び出すのかを確認するためだ。それほど郭会長はここ数年、産業界で多くの話題を振りまいてきた。
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赤間清広
毎日新聞経済部記者
1974年、仙台市生まれ。宮城県の地元紙記者を経て2004年に毎日新聞社に入社。気仙沼通信部、仙台支局を経て06年から東京本社経済部。霞が関や日銀、民間企業などを担当し、16年4月から中国総局(北京)。20年秋に帰国後は財務省を担当しながら、面白い経済ニュースを発掘中。