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「釈明は他人任せ」東芝原発大損失“戦犯”2人の無責任

編集部
原子力事業を担う東芝の子会社ウェスチングハウスのダニー・ロデリック会長(中央)=清水憲司撮影
原子力事業を担う東芝の子会社ウェスチングハウスのダニー・ロデリック会長(中央)=清水憲司撮影

原発事業「2人の責任者」(2)

 東芝の原発事業の責任者で会長だった志賀重範氏とウェスチングハウス会長のダニー・ロデリック氏は、巨額の損失が発覚した後の記者会見に姿を見せず、社員に対しても巨額損失の原因説明や謝罪を一切していなかった。

 損失について東芝が初めて発表した12月27日の会見で、綱川智社長とともに説明にあたった畠澤守・常務原子力事業部長が、「本来なら志賀とロデリックが説明すべきところだが、損失額の精査のため米国で作業中」と責任者不在について説明した。

 半導体分社化を発表した1月27日の記者会見は、綱川社長と半導体事業の責任者である成毛康雄副社長が登壇した。質疑は損失発生の原因に集中し、「志賀会長はなぜ出席しないのか」と記者から問われ、綱川社長は、「本日は半導体分社化が主体だから」と弁明していた。

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長く経済分野を取材してきた川口雅浩・毎日新聞経済部前編集委員を編集長に、ベテラン・若手編集者が経済・社会の最新情勢を追います。
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