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介護保険は高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組み

塚崎公義・久留米大学商学部教授
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 高齢化社会の到来で介護を必要とする高齢者が増加するとともに、高齢者が長生きするようになったために介護の期間が長期化しています。一方で、核家族化が進むなど、従来は大家族の中で介護がなされていた状況が変化しています。

 高度成長期に若者が都会に働きに行き、その後数十年たって農村に残った父母が高齢化し、老々介護の問題などが深刻化している、というのが典型的な問題でしょう。

 そこで、高齢者の介護は家族単位で行うのではなく、社会全体で支え合おう、ということになり、2000年に介護保険制度がスタートしました。高齢者の介護費用を税金で負担するという選択肢もありましたが、政府が採用したのは社会保険方式(政府などが運営し、加入者が支払う保険料などで運営費用を賄う方式)でした。そのほうが、「給付と負担の関係が明確になるから」ということのようです。

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塚崎公義

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関係の仕事に従事した後、2005年に銀行を退職して久留米大学へ。「退職金貧乏 定年後の『お金』の話」「老後破産しないためのお金の教科書」「増補改訂 よくわかる日本経済入門」「世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書」「なんだ、そうなのか! 経済入門」など著書多数。