下流化ニッポンの処方箋

全世代に広がった貧困が「自己責任」のはずがない

藤田孝典・NPO法人ほっとプラス代表理事
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貧困バッシングへの抗議デモ=東京都新宿区で2016年8月27日
貧困バッシングへの抗議デモ=東京都新宿区で2016年8月27日

 「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版、972円)を出版したソーシャルワーカー・藤田孝典さんの記念トークライブを3月30日、東京都千代田区で開きました。「藤田孝典さんと考えるニッポンの未来」と題し、若者世代から中高年まで、約150人の来場者と一緒に、貧困や格差の厳しい現実と、時代の変化に合わせた新しい社会システムの必要性を話し合いました。キーワードは「脱商品化」です。3回に分けてお伝えします。【経済プレミア編集部・戸嶋誠司】

 藤田 経済状況が上向かず、厳しい状況の人たちが増えています。社会を動かすOS(基本ソフト)や個々のシステムが古くなっているのではないか、という問題意識から、いくつか試案を提起したいと思います。私はこう思うとか、それは違うんじゃないかと、いろいろ意見を出してもらって、今の社会をどう変えればいいかみなさんと一緒に考えたいと思います。

 編集部 まず最初に、昨年、テレビで家計の苦しさを訴えた女子高生が、1000円ランチを食べたことをネット上で非難され、大炎上しました。また、元テレビ局アナウンサーが「自業自得の人工透析患者」を非難するブログを書き、大騒ぎになりました。困窮者や患者に対する「自己責任だ」という非難が絶えないのは、なぜでしょうか。そこからお願いします。

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藤田孝典

NPO法人ほっとプラス代表理事

1982年生まれ。NPO法人ほっとプラス代表理事、聖学院大学人間福祉学部客員准教授、反貧困ネットワーク埼玉代表。厚生労働省社会保障審議会特別部会委員。ソーシャルワーカーとして現場で生活困窮者支援をしながら、生活保護や貧困問題への対策を積極的に提言している。著書に「貧困クライシス 国民総『最底辺』社会」(毎日新聞出版)「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」「ひとりも殺させない」「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち」など。