くらし高齢化時代の相続税対策

相続の順番が変わると相続税額は大きく変わる

広田龍介 / 税理士

 東京都内在住のMさん(86)は10年前に大腸がんの手術をして以来、経過観察を受けている。5年前には自宅で転んで股関節を痛め、それ以来外出につえが欠かせなくなった。

 気持ちは若いつもりだったが、年齢と共に気力と体力に自信がなくなり、だんだん弱気になってきた。そして相続問題である。

財産分割割合を決めても思わぬ事態が起こることが

 相続人は、妻(84)と長男(50)、長女(46)、養子縁組をした長女の息子(20)の4人。長男夫婦には子供がおらず、長女は5年前に離婚し、息子と2人で暮らしている。

 Mさんは、小売業と賃貸不動産の会社を経営している。家族全員が会社の仕事を分担し、小売業は妻と長男夫…

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広田龍介

広田龍介

税理士

1952年、福島県いわき市生まれ。85年税理士登録。東京・赤坂で広田龍介税理士事務所を開設。法人・個人の確定申告、相続税申告、不動産の有効活用などを中心に幅広くコンサルティング活動を続けている。相続税に関する講演やセミナーも開催している。