テロが発生した英国会議事堂につながるウエストミンスター橋=2017年3月、三沢耕平撮影
テロが発生した英国会議事堂につながるウエストミンスター橋=2017年3月、三沢耕平撮影

グローバル海外特派員リポート

EU離脱を控えた英国を襲うインフレと不安感

三沢耕平 / 欧州総局特派員(ロンドン)

 英国のメイ首相が欧州連合(EU)からの離脱を通告した。原則2年間の交渉を通じ、早ければ2019年末にもEUから離脱することになる。人種や国境の壁を越えた共同体を構築する「壮大な実験」から離脱国が出るのは初めて。EUとの関係を構築し直す道のりはあまりにも険しく、英国民からは不安の声も飛び出している。

 「Thank you and Goodbye!」。EUのトゥスク大統領は3月29日、メイ首相から提出された離脱通告の書簡を手に英国との決別を宣言した。英国民が離脱を選択した昨年6月の国民投票から9カ月。書簡はEU条約に基づく「離婚届」ともいえ、トゥスク氏は「寂しい」と無念の表情をみせた。

 国民投票でEU離脱を決定して以降、英経済は予想外の底堅さを見せてきた。イングランド銀行(BOE、中…

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三沢耕平

三沢耕平

欧州総局特派員(ロンドン)

1972年千葉県生まれ。明治大学法学部卒。98年毎日新聞社入社。松本、甲府支局を経て、2004年から経済部で財務省、日銀、財界などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。16年10月から欧州総局特派員。