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「43兆円タンス預金」が今後も増え続ける理由

熊野英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
タンスにしまわれている現金がたくさん?
タンスにしまわれている現金がたくさん?

 日本の現金の残高は2016年末に102.4兆円と過去最高に達した。国民1人当たり約81万円という計算になる。常時81万円の現金を家に置いている人はそう多くはいないので、どこか特定の人がもっと多額の現金をまとまって持っているということだ。

 筆者の試算では、102.4兆円のうち43.2兆円が「タンス預金」だとみている。ここ数年、1万円札の発行残高の伸びが1000円札のそれを数%上回っている。1000円札でタンス預金をする人はいないので、この伸び率の差の積み上がりがタンス預金になっていると考えられる。

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第一生命経済研究所 首席エコノミスト

1967年山口県生まれ。横浜国立大学経済学部卒業。90年、日本銀行入行。調査統計局などを経て、2000年、第一生命経済研究所入社。11年4月から現職。専門は金融政策、財政政策、金融市場、経済統計。