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働き方改革のカギはSONYが実践した「人間性経営」

辻野晃一郎・アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO
ソニー創業者で同社の設立趣意書をしたためた井深大氏=1991年12月、藤井太郎撮影
ソニー創業者で同社の設立趣意書をしたためた井深大氏=1991年12月、藤井太郎撮影

 3月28日の働き方改革実現会議で、「働き方改革実行計画」がまとまった。時間外労働の上限規制や、非正規労働者の処遇改善を促す「同一労働同一賃金」などに一定の道筋を付けたことには意義があるだろう。

 しかしながら、本来、生産性や創造性の向上に最も寄与するのは、「働く人たちのモチベーションを高め幸福度を上げるための取り組み」だ。

 そう考えると、会社における管理職の責務はきわめて重い。その資質が、率いるチームの生産性や創造性に大きく影響することは論をまたないだろう。管理職には、単なるマネジメントの域を超えたリーダーとしての資質が求められる。

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アレックス株式会社代表取締役社長兼CEO

1957年福岡県生まれ。84年、慶応義塾大学大学院工学研究科を修了し、ソニー入社。VAIOなどの事業責任者、カンパニープレジデントを歴任。2007年、グーグルに入社し、その後、グーグル日本法人代表取締役社長に就任。10年4月にグーグルを退社し、アレックス株式会社を創業。著書に「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」(新潮社)、「リーダーになる勇気」(日本実業出版社)、「『出る杭』は伸ばせ! なぜ日本からグーグルは生まれないのか?」(文芸春秋)などがある。