
5200円(税込み)~
日暮れ時。かがり火がたかれ、煙が山の緑を背景に立ち上る。虫の音に加えて時折、鹿の鳴き声も聞こえてくる。どこか悲しげな、それでいて人を引きつける声は、能舞台に響くシテ(主役)と地謡(じうたい)の荘厳な声楽とあいまって、京ならではの自然の中に別世界をかたちづくる。
ここは京都市内にありながら、能の舞台を楽しむことのできる宿泊施設。注目の能楽師・林宗一郎氏による「能を楽しむ夕べ in 修学院きらら山荘」が開催される(不定期)。
比叡山の西のふもと、竹と紅葉の林に囲まれた約3000坪の敷地は、京都市歴史的風土特別保存地区に指定されている。
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紀行作家、一級建築士
1959年、東京都生まれ。東京工業大学建築学科卒。400軒以上の名建築の宿を宿泊・取材。旅行記、小説、児童文学、写真集を発表している。現在も長編小説を雑誌「ダンスビュウ」に連載中。第10回JTB紀行文学大賞奨励賞受賞。主な著書に「匠たちの名旅館」など。近著に「モデルルームをじっくり見る人ほど『欠陥マンション』をつかみやすい」(小学館)。公式サイトでお勧めホテル、名建築の写真を多数公開中 http://www.naotoinaba.com (顔写真の撮影は寺崎誠三さん)
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