海外特派員リポート

メイ英首相が「サプライズ6月総選挙」を決断した理由

三沢耕平・毎日新聞経済部副部長(元ロンドン特派員)
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安倍晋三首相と握手するメイ英首相(右)=2017年4月28日(首相官邸ホームページより)
安倍晋三首相と握手するメイ英首相(右)=2017年4月28日(首相官邸ホームページより)

 英国のメイ首相が突然、下院解散を宣言し、6月8日に総選挙が実施される。有権者の最大の関心事はもちろん欧州連合(EU)離脱。ただ、野党・労働党は離脱そのものには賛成の立場で、離脱か残留かを争う構図にはなっていない。離脱に突き進むメイ首相の支持率は高く、総選挙では保守党が圧勝する勢いにある。国論を二分した昨年6月の国民投票から11カ月。当時は投票のやり直しを求めてデモが起きたが、離脱を「後悔」していたはずの残留派の民意はいま、どこへいってしまったのか。

 「英国には強いリーダーシップが必要だ」。メイ首相は4月18日、官邸前で演説し、解散を宣言した。いつになく攻撃的な口調で「政治はゲームではないが、ゲームのように駆け引きをしている政党がある」と述べ、自らの離脱方針にことごとく反対する労働党を批判。自身の離脱方針を国民に問うことが選挙の目的であると説明した。

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三沢耕平

毎日新聞経済部副部長(元ロンドン特派員)

1998年入社。松本、甲府支局を経て2004年から経済部で財務省、日銀などを取材。政治部にも在籍し、首相官邸、自民党などを担当した。16年から欧州総局(ロンドン支局)。20年4月から経済部デスク。特集「見えない予算」「再考エネルギー」などを担当。