「この人、この土地」だから生み出せる一品

「雨の日が楽しみに」山梨・西桂の織りのオリジナル傘

小高朋子・旅食ライター・カメラマン
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槙田商店の傘の一つ「Stig Lindberg Umbrella Collection」=槙田商店提供
槙田商店の傘の一つ「Stig Lindberg Umbrella Collection」=槙田商店提供

 山梨県西桂(にしかつら)町に本社を置く槙田(まきた)商店の傘は、大胆に描かれた色鮮やかな花々と、絵画のような複雑なデザインと配色が特徴だ。雨の日が楽しみになる、心躍る一品がそろう。

 一見派手な絵柄だが、手にすると落ち着いた表情を見せるのは、転写プリントではなく、すべてジャカード織り生地で仕立てられているからだ。ジャカード織りは、縦糸と横糸の組み合わせで刺しゅうのように模様を浮き上がらせる。立体的で、見る角度によって変化する光の反射が美しさを演出する。

 同社の傘には、傘地をキャンバスに見立てたように大きな柄が描かれている。傘を広げた時に一つの絵柄とわかるようにデザインされた商品もある。写真と見間違うほど細密な絵柄も特徴の一つだろう。

 生地制作から傘の組み立てまでを自社で行っている。本社2階では、生地の裁断や縫製、金具の取り付けなどを熟練技術者たちが手がけていた。傘地のわずかな傷も見逃さないよう、1本ずつ検品し出荷する。

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小高朋子

旅食ライター・カメラマン

1982年、神奈川県生まれ。アパレル業界、映像製作会社を経て、フリーランスに。持続可能なモノづくりの可能性を求めて各地を巡り、地域の食文化、工芸品、産業などを取材し、写真、映像も用いてその魅力を紹介している。現在、農業者向けのビジネススクール(オンラインアグリビジネススクール)にかかわり、各地の農業現場の取材を担当。旅と、おいしい食べものと日本酒が何よりも好き。