職場のトラブルどう防ぐ?

労働時間削減が40代男性社員のストレスになった理由

井寄奈美・特定社会保険労務士
  • 文字
  • 印刷

 A男さんは、ある会社で事務を担当する40代の社員です。この春から始まった労働時間削減のための制度改革に対応しきれず、もんもんとする毎日です。仕事量が多すぎて定められた時間内に処理しきれない、というわけではありません。どういうことでしょうか。

上司の帰宅後に自分のペースで残務処理

 会社の就業時間は午前9時から午後6時。A男さんの部署は決して残業が多いわけではありません。年度末の繁忙期を除き、突発的なことがない限り、午後8時にはほとんどの社員が帰宅します。

 会社は社員に対して月40時間分の固定残業代を支払っています。月40時間を超えて残業する場合は、上司の許可が必要です。A男さんは時には月40時間を超えることもありましたが、ほとんど残業を申請したことがありません。上司に「仕事が遅い」と思われて、評価が下がることを気にしたからです。

この記事は有料記事です。

残り1432文字(全文1800文字)

井寄奈美

特定社会保険労務士

大阪市出身。2015年、関西大学大学院法学研究科博士前期課程修了。現在、大阪大学大学院法学研究科博士後期課程在籍中(専攻:労働法)。01年、社会保険労務士資格を取得。会計事務所勤務などを経て06年4月独立開業。井寄事務所(大阪市中央区)代表。著書に『トラブルにならない 小さな会社の女性社員を雇うルール』(日本実業出版社)など。http://www.sr-iyori.com/